夕暮れ階段



あのとき あの薄茶色の夕暮れ
建物の石階段に腰かけ
僕たちが 時を忘れ
言葉をかわしていたとき
 確かに 音楽が遠く浅く
 ふたりの肩先に流れていた

その音が ふいにやんだとき
きみは立ち上がり
スカートの埃を払い 歩き去った

あれから 僕の心は
じっと 耳をすましているんだ

このストゥープに 座りこんだまま
 あの偶然の音楽が
 今にも聞こえやしないかと

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music of chance